二代目三波伸介について 私の喜劇人生 三波伸介一座 ブログ
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私の喜劇人生-3
(コメディ・ライフ)

   
二代目三波伸介

「てなもんや」

私が3,4才の頃、オヤジは大阪・朝日放送の怪物番組
「てなもんや三度笠」にレギュラー出演していた。
オヤジは私を「コメディ」に興味を持たせようと、 ありとあらゆる手を使ったそうだ。
「てなもんや」は公開生放送。
「てなもんや」の放送翌日、オヤジ様は帰京する。

「栗饅頭」

その帰京土産で楽しみなのが日本航空の機内おやつとして 出る「栗饅頭」だ。
これがうまい。私はそれを食べるのを週一の楽しみにしていた。
つまり、オヤジが「てなもんや」に出る。
それを観る。
あくる日は栗まんじゅうが食えるという「パブロフの犬」よろしく オヤジは私に条件反射を植え付けたのだ。

パブロフの犬

必然的に私は「てなもんや」を楽しみにする。
観れば色々覚える。
母の談によると、私は3才にして「てなもんや」の主題歌を フルコーラスで唄えたそうだ。
三才にして「喜劇の父子鷹」は「巨人の星」放送以前に 一徹・飛雄馬の様に喜劇の英才教育を開始していた。
・・・そんな大ゲサなもんかい・・・!!

喜劇の味

「てなもんや」は藤田まことさんのパーソナリティの他に、 白木みのるさんの個性で盛り上がっていたのも事実だ。
「喜劇」の味を覚えた私が次に連れられたのは、
浅草・松竹演芸場の「デンスケ一座」だった。

デンスケ

大宮敏充さんのデンスケは観てるだけでも、ほんと、楽しかった。
昭和39年生まれで生「大宮デンスケ」を観てる人は少なかろう。
その「デンスケ一座」の帰り道、浅草六区の興行街を歩いていると 人ゴミの中から小柄な男の子がオヤジに声をかけた。

白木氏

「よう!三波ちゃん!」てなもんやの珍念・白木みのる、その人だった。
オヤジと親しげに世間話をしているとチラッと私を観て
「三波ちゃんの息子?可愛いね!いくつ?」
と云って私の頭をなでた。

!??

対して私と身長が違わぬのに・・・
私は「4才!!」と答える。
白木氏曰く「お父ちゃんの云うこと良くきくんやで!」
とニッコリ笑い、雑踏に消えた。
私はしばし言葉なく白木氏を見送り、やっとオヤジに声をかけた。

すごすぎ

私「あの子、子供のくせに三波ちゃんだってよ!」
オヤジいわく「伸一、白木は俺とおない歳だよ・・・」
私は、びっくりしたなぁもう。だった。
白木みのるさん。あの永遠の少年は凄すぎる。



続く




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