二代目三波伸介について 私の喜劇人生 三波伸介一座 ブログ
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私の喜劇人生-4
(コメディ・ライフ)

   
二代目三波伸介

『道化師』

私が小学5年の時衝撃のレコードに出逢った。
クラシック音楽好きの私のために、オヤジは様々なレコードを紹介してくれた。
その中でも強く心に感銘を受けたのが
レオンカヴァレロ作曲『道化師』であった。
オヤジ曰く
「喜劇の原点は道化にあり。やっぱり『道化師』を聴かなくちゃ。」

マリオ・デル モナコ

マリオ・デル モナコ演じる喜劇一座の座長・カニオは 妻を寝取られながらも道化として舞台に立ち、客に笑われる。
そのつらい悲しみをドラマティックな歌声に乗せ痛烈に心を打つ。
感動した。モナコの声はすごい。しびれた。

マイム

そして、フランスでピエロ、イタリアでパリアッチ、アメリカでクラウン、 つまり、道化師に異常に興味を持った。
道化師の芸の一つにパントマイムがあげられる。
フランスのマルセル・マルソーやアメリカのロバート・シールズが有名だが、 私は親子三代、道化師の喜劇俳優レッド・スケルトンの パントマイムが大好きだ。

鼻水が・・・

オヤジもスケルトンが大好きで、 彼の自画像を大枚はたいてアメリカで買ってきたぐらいだ。
エスター・ウィリアムスと共演した「世紀の女王」は、 売れっ子作曲家でありながら彼女が教鞭をとる女子大に入学してしまう 奇妙な男の役を演じた。
作品中にみせた伝説的マイム「女子大生の寝起き」は 爆笑を通り越して鼻水を流すほど素晴らしかった。

たまらない

「ジーグフェルト・フォーリーズ」の中ではジンのCMをへべれけになって つとめるテレビタレント役で絶品のマイムをみせた。
スケルトンは笑顔と絶妙のマイムとの間にちらりと見せる淋しげな表情が道化師の 王道をゆく血筋を感じさせる。たまらなく良い。

別物?

私はスケルトンのマイムを思い浮かべるとき、モナコの歌声が脳裏をよぎる。
オヤジは私に聞いた。「『道化師』はどうだった?」
私「しびれたよ。悲しげな響きがたまらないね。」
オヤジ「悲しげ?楽しい曲じゃなかったの?」
オヤジは「道化師のギャロップ」と勘違いしてた。
ちなみにコール・ポーターの「ビー・ア・クラウン」も良い曲です。
みなさん聴いてみて下さい。


続く




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